自動車 |
子供の頃、欲しかった車 |
李・青山華 |
子供の頃、大きなトラックのおもちゃを買ってもらうのを、誕生日まで待ったということで、親に褒められた記憶がある。今でも、酒が十分に入ると、時々父が話を出す。そのおもちゃのことは、まったく覚えていないが、どんな遊びをしたのだろう。 |
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サンダーバードや、ウルトラマンに出てくる自動車や飛行機が、とても好きだった。おもちゃを買ってもらい、プラモデルを作った。小学校も高学年になると、市販のプラモデルを改造して、リモートコントロールにして遊んだりした。典型的な男の子である。 子供の頃は、テレビにも魅力的な車が溢れていた。スーパージェッターの流星号や、マッハGoGoGoのマッハ号、キャプテン・スカーレットの装甲車、ウルトラセブンのポインターなどが記憶に残っている。 三菱のスタリオンを見た時は、ポインターだ、と思った。これは本当に欲しかったが、けっきょく手に入れる前に、製造中止になってしまった。 ソアラの3代目を見たとき、流星号だ、と思った。現物を見に行ったら、けっこう鈍重で、がっかりした。後ろの羽根もついていなかった。 後はキャプテン・スカーレットの装甲車だ。出たら、私は間違いなく購入するだろう。私はバカなのだ。 |
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また、少年マガジンの巻頭特集で、ジャングルを踏破するための車が紹介されていた。すべてイラストなのだが、ワンボックス・カーで、装備がなかなか子供心をくすぐるものだった。ぶつかった時にライトが割れないように、金属のケージで保護されていたり、車内にトイレやシャワーが装備してあり、食料もストックでき、水もタンクで積んで置けるようになっている。窓もケージで保護されており、ジャングルの中を何日間もかけて走破することができるような説明があった。これも、大人になったら乗りたいと思っていた。 そのことは、ほとんど忘れていたが、最近、思い出した。そして今、私が乗っている車はミニバンで、トイレと水と工具などが常に積まれている。やっぱり、頭の片隅に眠っている記憶が、いろいろな判断を陰から左右しているのかもしれないと思った。 |
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