微量毒素

緑の魔歌 〜むかし、昔〜 p.2


魔歌 back end


1 野生の夢 p.1
2 ムサシの立場
3 夜に吹く風
4 なんとも洗練されていないそれ
5 ルカは腹を立てている p.2
6 思いっきり、ダイビング
7 いわでもがなのお話
8 それがそうしてそうなった


★ ルカは腹を立てている

 ルカはムサシに言われたから、身を引いたわけではない。ルカはそんなに健気ではない。実は、猛烈に腹を立てていたのだ。

「こんなに大切な、忘れるはずのない思い出をすっかり忘れているなんて!」

 ルカ自身、この町に戻ってきたときに、「こんなに大切な、忘れるはずのない思い出」をすっかり忘れており、久美の助けを得て記憶を取り戻したことは、とりあえず棚の上の収納にしまい込んである。

「私が思い出したんだから、思い出せないことはないでしょ!」

が、ルカの理屈である。それでムサシを非難しているのだから、ムサシこそいい面の皮である。ルカは、そんなに待つ気はなかった。学校だから嫌なのよね。ムサシさまって呼ばなきゃいいのよね。その条件を満たしながら、思い知らせる方法は幾らでもある。

 ルカは、ムサシの言う条件を完璧に守りながら、思い知らせる方法を検討していた。そして、ムサシに思い出させるためのアプローチについて、もうしっかり段取りを決めていた。ムサシは頭が固いから、いつものスケジュールを崩さないだろう。だとすれば、決戦は日曜日。

 ちょっと覚悟はいるけど、なんてことはない。幼児に出来るんだから、私に出来ないわけはないわ。ルカは結局、その週末のXディまで、怒りを燃やし続けながら、学校ではムサシを避け続けたのだ。恐ろしい精神力である。そして、ついに日曜日はやってきた。



★ 思いっきり、ダイビング

 日曜日、ムサシは悠久山の上の林の奥、いつもの場所で修行をしていた。林の間を高速で移動し、足の捌き、身の返しに破綻がないように気をつけて、身体を動かしていた。木刀を構え、木の間をすり抜けながら、木にまったく当たらないように突き、払う。ムサシの動きは、もう尋常でない域に達している。しかし、満足できないらしく、さまざまなルートの切り込みを何度も繰り返している。ふいごのように息を吐きながら、ムサシは立ち止まり、額の汗を拭った。その頭に何かがパサリと被さった。

「ん?」

 タオルである。持ち上げると、目の前にルカがいた。

「やっは、る、ルカ?」

 ムサシは完全にうろたえた。ルカはムサシの様子を見て、目元を曇らせた。そして、一歩前に出た。ムサシは思わず一歩さがった。

「ムサシくん。何で私を避けるの?」

「な、何でって…別に、何も…」

「うそ。この前からずっと、私のこと避けてる」

「あ、ああ、うん」

「どうして?」

「いや、あの、その…」

 ムサシは一歩さがって、深呼吸をした。不意打ちを食らってうろたえてしまったが、ムサシにはムサシの言い分がある。それを伝えるいいチャンスだ。ムサシはルカの目を見て言った

「おまえの言葉には言っている以上の意味が隠されている気がするが、俺にはそれがわからない。わからないままにずるずると引きずっていくと、いずれ俺も、おまえも傷つくことになる。だから、俺はおまえには打ち解けられない」

「わからないけど、意味が隠れてるのはわかるのね?」

「そこまで露骨に仄めかされたら、誰だってわかるだろう」

「そんなことないわよ。じゃあ、火口はあるんだ。燃料はあるはずだし……じゃあ、後はふいごで扇げばいいんだ」

「なんだよ、ふいごって」

「やっぱり、こういうときは類似呪術に限るわよね」

「だからなんだよ、類似呪術って」

 ムサシはだんだん不安になってきた。

「どうってことないわ。一種のショック療法よ。幸い、この身体はスイミング教室で鍛えてあるし」

「だから、スイミング教室とか、ショック療法ってなんなんだよ」

 ルカはムサシを見た。眼がきらきらと輝いている。ムサシは思わず気圧された。ルカは何かを覚悟したのだ。ムサシは、そのルカが発している気迫を感じ、受け止めるだけの修行は出来ていた。

「ルカ、おまえ」

「ムサシさま、思い出してね」

 覚悟を決めてしまえば、あとは踏み出すだけである。ルカはバッグをおろして、そばの石の上に置いた。ブレザーのボタンを外し始める。

「ルカ?俺と喧嘩でもするつもりか?」

「それで思い出すんならね。でも、あんたは鈍いから、そんなんじゃあ無理でしょうよ」

 ムサシは鼻白んだ。

「確かにそうかもしれないけど…」

 ルカはブレザーを脱いだ。軽く畳んで、バッグの上に置く。次にルカはブラウスのリボンを外した。ムサシも、さすがにおかしいと思い始めた。

「ルカ?何をするつもりだ?」

 ルカはその質問には答えず、次にブラウスのボタンに手をかけた。ムサシの声は悲鳴に近くなっている。

「だから、何をするんだって」

「あの時あなたは、おまえはこんなことしなくていいんだって言ったけど」

 ルカはブラウスのボタンを外しながら言った。思い切りよく、ブラウスを脱ぐ。柔らかく膨らんだ隆起が、ブラジャーに押さえられている。

「お、お、おい、ルカ?」

 ルカはスカートのホックを外し、ジッパーを下げた。そしてスカートを落とす。下にはブルマをはいていた。スカートを拾い上げ、畳んで,ブラウスと一緒にバッグの上に置く。

「な、な、なにをする?俺は無実だ」

 ムサシはあらぬことを口走っている。ルカはさらに、靴と靴下を脱いだ。

「前にムサシさまは、私はやらなくてもいいって言ったけど、結局やらなくちゃならないんじゃない」

 ムサシは後じさった。ムサシの目を射るように見て、ルカは胸を両手で隠し、いっそ軽やかに、ムサシに向かって歩き出した。ムサシに向かって?いや、ムサシの右側に向かって歩き出したのである。ムサシは一瞬ルカの後姿に見惚れたが、それどころではないことに気づいた。

「ルカ、そっちは崖だ!」


 崖の端に立ち、ルカは下を見下ろした。くらっとなる。思ったよりずっと、滝壷が小さく見える。

「ルカ!」

 真剣なムサシの声を聞いて、ルカは再び怒りが溢れてくるのを感じた。この、鈍男!幼稚園児に出来たのよ。あたしに出来ないわけないじゃない!ルカは崖の上で振り返った。目が白く光り、ムサシを射抜いた。

「私だって、ほんとうは少し、怖いのよ」

 ムサシの頭の中で、ルカの言葉が反響した。

「え?それ…」

 止めようとしたムサシの動きが一瞬止まった。ルカは前を向き、はるか下に見える、小さな反射する光の中に向けて、ダイビングした。ダイビングしたルカを見て、ムサシの中で、記憶が急速に巻き戻されたのだ。あれはまだ、ムサシが幼稚園にいた頃の記憶だ。


 崖の上の岩を強く踏み切り、ムサシは宙に舞った。頂点を極めたムサシは、そのまま自由落下に入る。風を切りながら、ムサシはぐんぐんと滝壺に近づく。水面を見極めて、そのまま突入する。自分の顔が見えるようになりたいのだけど、滝壺は波立っていて、近づいてくるらしき影しか見えない。激しい衝撃があり、夥しい泡とともに、ムサシは滝壺深くまで潜り、浮力に任せてゆっくりと浮かび上がる。水面が近づいてきて、顔を出すと崖の端から顔が覗いている。ムサシの顔を見て、にいっと笑った。安心したらしい。ムサシは、頭をぶるぶると振って水を飛ばした。

「ムサシさまー。おーい」

 見上げると、ルーが手を振っている。ムサシもルーに向かって手を振った。ムサシが上に登ってくると、ルーはムサシの顔をまじまじと見つめた。

「なんだよ」

「何であんなことをするんだ。危ないじゃないか」

「度胸をつけるためだ。大変なことがあっても、絶対にびっくりしないように」

「ふーん」

 ルーは何か考えているようだ。ルーは顔を上げ、思いつめたように言った。

「ルーもしたほうがいいのかな」

「おまえはいい」

「なんで?」

「女だから」

「ふうん。得だな」


 滝壷に向けて落下していきながら、ルカは呟いていた。

「嘘つき…」

 水面が見る見る近づいて、ルカは両手を伸ばして衝撃に備えた。ムサシの口から、言葉が溢れた。

「おまえ、ルー坊か?」

 大きな音を立てて、ルカが水に突っ込むと同時に、ムサシの身体が宙に浮いた。ルカは水の中に沈みこんでいる。ムサシはそのまま、ルカから少し離れたところに向けて突っ込んだ。



★ いわでもがなのお話


 水に漂いながら、ルカはぱちりと目を開けた。目の前にムサシの心配そうな顔があった。一瞬気を失ったらしい。

「無茶しやがって……」

 ムサシは信じられないものを見るような顔で、ルカを見ていた。ルカは自分を見ているムサシの目が、さっきまでの不審や疑惑を湛えていないことに気づいた。

「ルカ、おまえ、ルー坊だったのか……」

 ルカは一瞬、泣きそうな目をして、そのままにいっと笑った。

「私は初めからわかってた」

「そうか……」

 ムサシはルカを支えながら、気づけなかった自分を恥じた。

「すまん。こんなことまでさせて」

「大丈夫。度胸がついたわよ」

「こいつ」

 ムサシは笑った。ルカは上目遣いにムサシを見て言った。

「じゃあ、ムサシさま。ちょっとだけ離れてくれる?」

「大丈夫か?支えていてやるのに」

 ルカはムサシの耳に口を寄せた。

「あのね」

「うんうん」

「さっき飛び込んだときにね」

「ああ」

「ブラが外れちゃったのよ」

「そうか、ブラがな」

 ムサシは頷き、納得した。つもりだったが。

「?え、えー!」

 水しぶきを上げて、ムサシはルカから離れた。ルカはしっかりと胸を隠していたが、柔らかな曲線は隠し切れようはずもなかった。なるべくルカの方を見ないようにして、ムサシはルカの手を引いて岸に上がらせた。そのまま一人で岩を上って、自分の学生服をとってきた。そしてなるべくルカを見ないようにして、それを渡した。

「ありがと」

「まったく、何考えてんだか」

 ルカはくすっと笑った。

「よかった。これでも思い出さなかったらどうしようかと思ってた」

「もっとやりようはあるだろうに」

「そんなにないわよ。ちゃんと思い出してもらう方法はね」

「そうかねえ」

 ムサシはぶつぶつと言ったが、実際そうかも知れないとも思っていた。説明されて思い出しても、こんなに鮮やかな記憶は蘇らなかったかもしれない。こんなに、ルカを親しいものだとは感じなかったかもしれない。蘇った記憶は、10年近く前の出会いを運命のように感じさせる。そして10年後の今、再びこうしていることが、奇跡のように感じられる。ルカがムサシを特別なものであると感じたように、ムサシもルカを特別な相手だと、素直に信じられるような気がした。だからって、ここから飛び込むとは……

「まったく、ファンキーな女だぜ」

「え?なに」

「なんでもない。とりあえず、上に戻ろう」

「登れるかな」

 登ってもらわなければならなかった。下流に行っても、どんどん山の中に入り込んでゆくだけなのだ。いろいろ試したが、飛び降りることは一人で出来ても、登るのは一人では難しいということがわかった。結局ルカを先に登らせ、ムサシが下から指示しながら登るのが一番安全だという結論になった。

「覗かないでよ」

「無茶言うな!」

「ま、ブルマだからいいか」

 ルカはけっこう身軽に岩に取り付いた。

「この岩の上まで登れるか?」

「大丈夫」

 ルカの足がばたばたと動き、岩の上に消えていった。ムサシも勢いをつけて、上に飛び上がった。

「次は、この岩が簡単だな」

 ルカは頷き、左に張り出した岩に左足をかけた。

「手をその出っ張りにやって、勢いをつけて右足を上に」

 ルカは出っ張りに手をかけ、身体を引き上げた。

「ええと、次は」

 何気なく見上げたムサシは、後ろにひっくり返りそうになった。

「天国だ……」

「え?何?どうすればいいの?」

 ムサシは慌てて強く首を振り、岩の見極めに集中した。

「次は左足を手前の窪みに押し込んで、右手を上の岩にかける。できるか?」

「OK」

 ムサシは必死で上を見ないようにしながら、ルカに指示を出した。それでも、状況がわからなければ指示が出せず、確認しなければ細かい状況はわからず、確認すれば視線が定まらず、ムサシにとって苦痛だかなんだかわからない時間が過ぎて、ようやくルカは崖の上にたどり着き、向こう側に消えた。ムサシはぼうっとした顔のまま、最後の岩に手をかけ、飛び越えた。地面に降り立つと、ルカがこちらを振り向いた。

「けっこう早かったね」

「…そうか?ずいぶん長かったような気がしたけど」

 ムサシはまだぼうっとしている

「早かったよ。指示が良かったんだね」

「いや、おまえもすごくよかった」

「そう?へへ、そう言われると、ちょっと嬉しいな。運動神経ないと、ムサシさまに置いてかれそうだからね。もっと頑張るよ」

「だめだ、これ以上は。鼻血がでちまう」

「何、それ。ああ、楽しかった」

「そうだな……」

 ムサシはものすごく疲れていた。普通に登るより、千倍は疲れたような気がした。



★ それがそうしてそうなった

 崖を登りきり、二人はようやく一息ついた。ルカは手近な石に腰掛けた。ムサシは地面にあぐらをかいた。

「あー、百倍疲れた」

「それは、いい訓練になったわね」

「おまえなー。ま、確かに一理あるか」

「毎週、飛び込んであげようか?」

「やなこった。もうこりごりだ」

 そういいながら、ムサシは少し、いいなと思った。しかし、ムサシの妄想が形をとり始める前に、ルカが言った。

「この、嘘つき」

「へ?」

「10年前、あなたは言ったわよ。おまえはこんな危ないことはしなくてもいいって。それがどうよ。結局、私もやらなきゃならなかったじゃない」

「あー。そうだな」

 ムサシも、あの日のことをすべて思い出していたから、ルカの言葉が間違っていないことがわかっていた。

「すまん。全く気がつかなかった」

「それでも、悪いとは思ってるんだ」

「思っている。おまえはいろいろ言ってくれていたのに、おれはわかろうとしていなかった」

「じゃあ、バツとして」

 ルカはムサシを上目遣いに見た。ムサシは少し怯えた。

「ムサシさまと呼んでもいいわね」

 ムサシはほっとしたような、がっかりしたような、複雑な顔をした。

「どうしても、か?」

「どうしても」

 ムサシは苦笑いを浮かべて頷いた。

「しょうがないな。俺が悪いんだから」

「そうだ。おまえが悪いんだ」

 ルカは言い、ムサシに抱きついてきた。

「くっつくな」

「だってぇ。寒いんだもん」

「そうか……」

 ムサシは言いながら凍りついた。むにゅ。制服越しに、左肘に何か異様に柔らかいものが当たったのである。突然硬直したムサシを、ルカは心配そうに覗き込んだ。

「どうしたの?大丈夫?やっぱり上着がないと寒い?」

「いや」

「本当?無理しないでね。冷えたのかな」

 ルカは暖めるように身体を押し付け、ムサシの身体を撫で回す。

「本当に寒くない?風邪なんかひかないでよ」

 押し当てられた柔らかな感触と、ルカの細い指の感触は、ムサシの感覚器官の許容限度をはるかにオーバーしていた。

「どがらっ」

 一声おめくと、ムサシは走り出した。ここは、危険すぎる。とりあえず、この場を撤退する、が、ムサシの脳の出した指令だった。

「ムサシさま?」

 ルカは取り残され、きょとんとしている。ムサシは超高速で走り去ってゆく。

「ムサシさま」

 ルカは事態を把握できない。なぜムサシさまは走ってゆくのだろう。ルカは、ふっと脱力した。

「うーん。やっぱり、男の子は理解しがたいところがあるわよね」

 ずっとムサシを見送っていてもしょうがないので、ルカは脱いだ服を置いてあるところに行った。あたりを見回し、着替えはじめた。

「スカートが濡れちゃうな……」

 ルカはあきらめた。そして現状で出来る範囲で、とりあえず身仕舞いを整えた。

「さて、と」

 そろそろ、太陽が傾いてきて、空気が次第に、明るいオレンジ色を含んできている。

「いないと、来たときに心配するわよね」

 ルカはしばらく待つ覚悟を決めた。その時、すごい勢いで近づいてくる音が聞こえてきた。

「あら」

 ルカは目をきらきらさせて、近づく騒音の主を待った。3秒後には、ルカの目の前に、ぜーぜーと息を吐くムサシがいた。

「すまん。ちょっと海馬が錯乱して、私の行動を支配していた。こんなところに置いて行ってすまん」

「帰ってくると思ってたから。でも、そろそろ帰りましょう」

 ルカは学生服をムサシに返した。ムサシの目はルカの上を彷徨い、ルカの右斜め上で視線を固定した。そのまま、ムサシは怒ったように学生服をルカに差し出した。ルカは何かあるのかな、と後ろを振り返ったが、何もない。

「何?」

「おっ……胸!」

 ルカは下を見た。ブラウスがほのかに透けている。ルカは両腕を抱え込み、胸を隠した。

「嫌っ」

 ムサシはけなげにも逃げ去らなかった。

「だから!」

 ルカは片手を伸ばし、学生服を受け取った。後ろを向いて着込み、向き直った。ムサシはぎくしゃくと首を戻した。

「ひょっとして、さっき消えたのも?」

 ムサシは頷いた。

「ごめんなさい、気がつかなくて。でも、こんなささやかなのに、気にしてくれるんだ」

 ムサシは何も言わず踵を返し、トレーニング用品をまとめている。ルカも、急いで干してあるブラジャーとブルマと下着を取り込み、まとめてバッグに入れた。振り返ると、ムサシがまた凍り付いている。

「?」

 ムサシの顔が赤いのは、夕日のせいではない。なぜなら、きょうの夕日は明るいオレンジ色なのに、ムサシの顔は真紅だから。ムサシは震える指を上げ、バッグを指した。

「ああ、スカートが濡れちゃうから」

 ムサシは皆まで聞かず、くるりと向こうを向いて歩き出した。

「ムサシさま?」

 ムサシは異様な早足でずんずんと去ってゆく。今度は、絶対もどっと来ないだろう。

「ムサシさまー」

 ルカはムサシの後を追って、広場に向かう道を、林の中へ入っていった。夕日は次第に低く、世界全体をオレンジ色に染めていった。

「ムサシさまー」

 ルカの声が、もう一度遠くで聞こえた。オレンジ色の世界は、静かな様相を夜に向けて変えていったが、それを見届ける人間は。ここにはもういなかった。


魔歌 back end
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