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お片付け2 |
李・青山華 |
私は片づけをするのが大好き。 暇な時間はいつもいらないものを選び出してゴミ箱に放り込んだり、 収集日が来たらすぐに捨てられるようにまとめておく。 私は無駄なものが身の回りにあるのがとてもいや。 お化粧を落とさないままで寝ちゃうのと同じ気がして、とても我慢できない。 だから私はいつも今だけをまとって生きている。 そりゃあ、たまには手が迷ってしまうこともある。 あの人と行った映画のパンフレットや、買ってくれたプレゼント。 でも、もう行っちゃったあの人のものを持っていても、 あの人が帰ってくるわけじゃない。 もし帰ってきたとしても、そのときはまた違う接点を持つことになる。 だったら今の気持ちを残しておくのは無駄。 かえってぎくしゃくしちゃう。 だから私はすべてを捨てていく。 捨てた結果が本当の今の自分だから。 過去もひっくるめて自分だなんてことを言う人もいるけど、そうじゃない。 私はきれいな部屋にひとりでいる。 そこに来た人がそこをいろいろ変えていっても、 終わればまたすべて綺麗に消える。 その片付いたきれいな部屋が私自身。 私は濁りや滓のない世界に住みたいのだ、いつも。 |
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