常に蠢く雲に覆われた空。褐色の大地。黒に近い緑の潅木や草。淀んだ湖。僅かな澄んだ泉。生き物はすべて頭を垂れ、畏れて生きている。 畏れるあまりに人々は抑制者を作り、畏れを持たないものを狩り、その意志を挫く。畏れを持たないものは身体に徴(しるし)を持つ。隠れることは出来ない。 世界の果てに空の瞳と地の眼がある。その呪縛を放つ時、空は開き、新たな世紀が始まる。